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【日経新聞】世界の原発投資45%減 昨年、5年ぶり低水準 再エネシフトが影響

世界の原子力発電投資が落ち込んでいる。国際エネルギー機関(IEA)によると、2017年の世界の原発投資は16年比45%減の170億ドル(約1兆9200億円)と、東日本大震災直後の12年以来、5年ぶりの低水準。安全対策費がかさんで価格競争力が低下した。一方、再生可能エネルギーからの電力を流す送配電網の投資が膨らんでいる。

17年の世界全体のエネルギー投資は前年比2%減の1兆8000億ドルだった。石油や天然ガスなど化石燃料の関連投資は微増の7900億ドルと少し持ち直したものの、電力関連投資は前年比6%減の7500億ドルに落ち込んだ。

原発分野では新設への投資額が7割減った。福島第1原発の事故を受けて脱原発にシフトする国が増えていることに加え、安全対策費が大幅に増えたことで強みだったコスト競争力が低下した。このため、電力会社が新規投資に慎重になっている。

欧州ではドイツが22年までの脱原発を決めているほか、スイスは17年に実施した国民投票で原発の新設を禁止し、代わりに再エネの利用を増やす方針を決めた。フランスも原発の依存度を現状の7割超から5割まで引き下げる目標を掲げる。

日立製作所が英国で進める建設計画はコスト増などを巡り交渉が難航。英政府が負担増を受け入れることで基本合意にこぎ着けたが、安全対策費が大幅に増えたことで、総事業費は当初の約2兆円から約3兆円まで膨らんだ。

脱原発を掲げる国は欧州の他にアジアでも増えている。台湾では蔡英文政権が25年に原発をゼロにする方針。韓国でも17年6月、原発の新設を白紙にし、設計寿命を超えた原発の稼働延長を認めない方針を示した。

ただ、日本では原発の廃炉関連や再稼働に向けた投資が増えており、世界の流れとはやや異なっている。

発電投資は全体で10%減と大幅に減少。再エネ発電が7%減、火力発電が9%減となった。これまで再生可能エネルギーの投資が活発だった影響で、送電線の容量が足りなくなり、大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の新設計画が頓挫する例が出ている。買い取り価格が下がっていることも伸びを抑えた一因だ。

一方、5年連続で増えているのが送配電網への投資だ。17年は前年比1%増。送配電網投資は電力部門全体の4割を超えた。

欧米の電力会社などはデジタル技術を生かし、効率的に電力を使うスマートグリッド(次世代送電網)の分野に力を入れる。

原発や火力などの集中型電源から、風力や太陽光などの分散型電源にシフトし、新たな送配電網を整備する必要に迫られている。