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【日経新聞】水素拠点、共同で全国に トヨタ・JXなど新会社検討

燃料電池車の普及後押し

 トヨタ自動車やJXエネルギーなど自動車・エネルギー大手各社は、次世代エコカーの燃料電池車に燃料を供給する「水素ステーション」の全国展開に向け、共同で新会社をつくる検討に入った。いまはエネルギー各社が個別に整備しており、設置件数は目標を大幅に下回る。自動車メーカーも巻き込んで燃料供給網の構築を急ぎ、燃料電池車の普及を後押しする。

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 トヨタやホンダ、日産自動車といった自動車大手、JX、岩谷産業、東京ガスなどが加盟する経済産業省の「水素・燃料電池戦略協議会」で詳細を詰める。2017年度をめどに、水素ステーションの設置を進める共同出資会社をつくる案を軸に調整している。

 水素ステーションに必要な水素の圧縮機などをつくる機器メーカーにも参加を呼びかける。出資金の総額は100億円を超える可能性がある。

 新会社が水素ステーションを設置し、運営はJXや岩谷、東ガスなどのエネルギー会社が担う。国は出資せず、設置や運営のための補助金を支給する。各社が個別に整備するより手厚い補助金を出し、新会社を支える。

 燃料電池車はトヨタが14年に世界で初めて市販車を発売し、ホンダも今年3月に投入した。経産省は20年までに4万台を普及させる目標を掲げる。しかし、現在までに国内では600台程度しか売れていない。

 普及のネックが水素ステーション不足だ。

 経産省は15年度までに国内で100カ所の水素ステーションを開設する目標を掲げてきた。現時点ではJXや岩谷産業が個別に設置を進めているが80カ所ほどにとどまる。東京や名古屋などの都市部にかたより、1カ所もない県も多い。設置費用が1カ所4億円にのぼり、年間4千万?5千万円程度の運営費がかかるため「需要の少ない地方では整備に踏み切れない」(水素ステーション事業者)という。

 国内を代表する大手企業が費用を分担することで整備を加速するのが今回の取り組みのねらい。

 自動車メーカーの地域別の販売計画に沿って立地を決めたり、部材調達や工事の一元化でコストを抑えたりする効果も見込む。経産省は25年度までに320カ所の水素ステーションの設置をめざす。20年代中に水素供給による収入だけで水素ステーションの設置・運営費をまかなえるようにする考えだ。

 燃料電池車より先に発売した電気自動車の充電スタンドをめぐってはトヨタや日産、ホンダなどが14年に共同出資で新会社を立ち上げた。スタンドを設置する大型スーパーや外食チェーンなどに資金支援をしている。国内のスタンド数は2万を超え、電気自動車もすでに8万台以上が売れた。

 燃料電池車は水素と酸素の反応でできた電気で走る。走行時に水しか出さないため「究極のエコカー」とも呼ばれる。長距離を走るためには水素の補給が欠かせない。

 ▼水素ステーション 燃料電池車に燃料の水素を供給する拠点。固定式と移動式の2種類があり、固定式は既存のガソリンスタンドに併設されるケースが多い。移動式は充填装置を積んだトラックが決まった場所に水素を運んでくる。トヨタ自動車が2014年に発売した燃料電池車「ミライ」は3分程度の充填で約650キロメートル走れるという。
 経済産業省は16年3月末までに全国に100カ所を整備する目標を掲げてきたが、4月末時点でも78カ所にとどまっている。首都圏に35カ所、トヨタのお膝元の中京圏に20カ所が集まる一方、北海道や北陸地方などにはひとつも整備されていない。20年度までに160カ所、25年度までに320カ所に増やす目標も簡単には実現できそうにない。
 圧縮機や蓄圧器などの機器代と工事費を合わせた1カ所あたりの整備費は4億円ほど。JXエネルギーや岩谷産業など水素を保有する会社が単独で設置してきたが、とりわけ採算の見込みにくい地方では整備が進まない。欧米の2倍とされる整備費をどう引き下げるかが課題となっている。

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