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【日経新聞】産油国、太陽光にカジ 国内電力、相次ぎ大型投資 脱石油へ改革、市場育つか

【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など湾岸の有力な産油国が自国で必要になる電力をまかなう目的で「メガソーラー事業」と呼ぶ太陽光発電への大型の投資を始める。総出力100万キロワット以上、10億ドル(1100億円)を上回る大型の事業が相次ぎ、中国や米国などに次ぐ大きな太陽光発電の市場に育つ可能性がある。

 サウジアラビアの電力会社ACWAパワーは5日、北部サカーカで、サウジで初めての本格的な太陽光発電所の建設を始めると発表した。サウジは年末までに7つの太陽光発電所(出力330万キロワット)と、1つの風力発電所(80万キロワット)をつくるために70億ドルを投資する計画だ。

 サウジのムハンマド皇太子が2017年11月に、将来の建設を発表した投資額5000億ドルの紅海沿岸の超巨大都市「NEOM」では、消費する電力すべてを太陽光などの再生可能エネルギーでまかなうようにする。ソフトバンクグループはサウジの電力会社に投資し、大規模な太陽光事業を進める方針だ。

 UAEのアブダビ水電力省は総出力が少なくとも117万7千キロワットの太陽光発電所をつくる計画で今年前半の入札に参加する企業を募り始めた。

 UAEにとっては2番目のメガソーラー事業となる。1つめのスワイハン(出力117万7千キロワット)は丸紅と中国の太陽光発電パネルメーカー、ジンコソーラー(江西省)が手掛けており年内に完成する見通しだ。

 UAEのマズルーイ・エネルギー相は地元メディアに対し「50年までに国内電力の44%を再生可能エネルギーでまかなう目標を達成するには年100万キロワット規模の事業を入札にかけていく必要がある」と述べた。

 クウェートやバーレーン、オマーン、カタールなど他の湾岸諸国も、サウジとUAEに追随するとみられる。

 石油など豊富な化石燃料をにぎっている国が、なぜ太陽光に多額の投資をするのか。

 それは産油国にとっても、エネルギー消費の効率化が課題となっているためだ。湾岸産油国は石油や天然ガスなどを燃やして発電しているが、将来は石油に頼らない経済への改革を進めている。その中で、見落とされていた国内のエネルギー消費の効率化に光があたった。

 理由はいくつかある。第1に貴重な輸出資源である石油や天然ガスは、国内で発電用に燃やすよりも外国に販売した方が利益が大きい。

 第2に太陽光パネルの価格が大幅に下落し、コスト面での優位さが増した。もともと砂漠地帯の湾岸は太陽光の発電に向いている。

 第3はピーク電力の抑制という大きな効果が認識されたことだ。湾岸の電力消費のピークは冷房需要が一気に高まる真夏の昼間だ。この最も電力需要が高まる時間帯に、太陽光は最も発電能力を発揮できる。

 これまでほとんど無視されてきた資源国での消費エネルギーの最適化への努力は、資源国自身の経済を効率的にし、世界のエネルギー供給の安定にもつながる可能性がある。

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