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【日経新聞】被災の下水処理施設、藻から燃料 仙台市が企業と共同研究

 仙台市は東日本大震災で被災した下水処理施設の南蒲生浄化センター(同市)で、藻類からバイオ燃料をつくる研究に企業と共同で取り組む。2017年度をメドに共同研究を開始し、汚泥焼却用や非常時の代替燃料などの実用化をめざす。これまで筑波大学など学術機関と連携してきた。企業の資金や人材を取り入れ、震災復興を象徴する施設に育てたい考えだ。

 市では企業と共同研究に向けた交渉を進める。下水処理施設の建設やエネルギー関連事業を手掛ける企業などの参加が想定される。複数企業を核に大学、仙台市も加わり、研究グループを設ける見通しだ。

 研究に使う藻類はオーランチオキトリウムとボトリオコッカス。オーランチオキトリウムは下水汚泥の中の有機物を吸収して油を生成し、細胞に蓄積する。ボトリオコッカスは浄化処理中の下水に含まれるリンや窒素を栄養素にして油を生成する。ともに重油に近いものができるという。

 技術を確立できれば下水を浄化しながら油を生産できる。取り出した油は下水処理の過程である汚泥焼却の燃料などに使える。災害などの非常時にはガソリンの代替燃料にもなり得るという。

 藻類から油を取り出す試みは震災時に燃料不足を経験した仙台市が始めた。11年11月に筑波大、東北大と協定を結び、培養や油の抽出に必要な技術を研究している。これまで国の補助金で研究費をまかなってきたが、16年度末で期限が切れる。17年4月から企業の資金で研究を続ける方針だ。

 企業との連携で市や大学だけでは補えない資金や人材、技術面などの強化が期待される。本格的なバイオ産業に育てるためにも、市は実際に事業を進める民間企業の参加が不可欠と考えている。

 南蒲生浄化センターは10メートルを超える津波で壊滅的な被害を受け、今年4月に全面復旧した。かさ上げ工事で東日本大震災級の津波にも耐えられる構造にしたほか、太陽光発電の設備もある。

 主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では各国の財務相らが視察に訪れた。現地で案内した奥山恵美子市長は「国連防災世界会議で採択されたビルド・バック・ベター(よりよい復興)の理念を体現した施設だ」と説明した。

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